ベトナムとオーストラリアが農産物の貿易を拡大
- 2021/07/30
7月13日~14日、豪州の貿易・観光・投資省ダン・ティーハン大臣がベトナムを訪問し、各要人との面会を行った。ティーハン大臣は記者会見で、ベトナムとの農産物の貿易を優先的に進め、ベトナムを10番目の規模となる貿易パートナー国としたい考えを表明した。
同大臣は、ベトナムとの二国間貿易について、農業、エネルギーなど鍵となる分野で結果を残しており、ますます活発になっていると評価した。ベトナムと豪州は、両国の貿易関係をさらに勢いづけるため経済連携戦略を構築しており、今年10月の締結に向け動きをさらに加速する。「この戦略によって両国の貿易業者は新たな市場や顧客を見つけることができ、アフターコロナにおいて両国の経済は回復に向かうだろう。」とティーハン大臣は強調した。
ティーハン大臣によると、豪州はベトナムに対して、一部農産物の貿易を開始するための環境を優先的に創出するとのことだ。現在、ベトナムから豪州へ輸出されている青果は4種類であるが、今後、新たな農産物の輸出開始に向けて両国で交渉を重ね、合意を結びたいとしている。まずは、それぞれが輸出を希望している果物2品目についてお互いに認可を検討し、その後、品質や条件を満たす品目があれば徐々に増やしていく予定である。ティーハン大臣は、ベトナムにとって青果の輸出を増やす大きなチャンスだと強調している。
昨年、ベトナムと豪州の二国間貿易は83億米ドルに達し、そのうちベトナムから豪州への輸出が36億2,000万米ドル、豪州からベトナムへの輸入が46億8,000万米ドルであった。ベトナムにとっては10億米ドルを超える貿易赤字である。また、今年の年初5か月の貿易額は47億米ドルとなり、前年を41.1%上回った。ベトナム、豪州ともに、お互いにとって11番目の貿易国となっている。そして、豪州のベトナムに対する海外直接投資(FDI)は2021年6月時点で526件、投資総額はおよそ19億2,000万米ドルで、132か国・地域中19位である。今後のさらなる投資についてティーハン大臣は、まず政府レベルでの連携関係を強化したいと強調した。ベトナムと豪州の経済は互いに補完し合っており、競争相手というよりもパートナー同士といった関係性である。
ベトナムと豪州はともに環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)や地域的な包括的経済連携(RCEP)に積極的に参加している。双方がこれらの協定を進んで活用することが新たな連携への原動力となり、両国の企業や国民に多大な利益をもたらすとティーハン大臣は考えている。同大臣は、ベトナム政府について新型コロナの感染対策を行いながら経済成長を維持していると述べ、ベトナムはASEAN地域において改革に成功している国の1つだと評価した。
ベトナムの農業では近年、輸出を見据え高品質化に力を入れており、今年上半期の輸出額は好調であった。豪州は地理的に近いアジア諸国との経済関係を強化しており、ベトナムに対し新型コロナワクチンの支援を行うなど両国の関係は良好である。自由貿易協定の効果もあり、ベトナム・豪州間の貿易は今後さらに発展していくだろう。(ベトナムニュース邦訳ライター 鶴田 志紀)
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