ベトナムに進出する日本企業で需要が高まっている職種

ベトナムに進出する日本企業

引用元:ホーチミン市共産党委員会「労働者新聞」

新型コロナの抑え込みに成功しているベトナムでは、様々な日本企業が安心して生産・販売拡大を進めている。あらゆる分野で日本語のできる人材の需要が高まり、日本語能力試験N3、N4程度を取得し、専門知識が十分であれば、日本企業で自分の能力に見合った仕事を見つけられるチャンスは多いだろう。以下が今年求人の増えている日本語関連の職種である。

まずは営業職である。昨年は新型コロナによって消費が大きく落ち込み、日本企業と提携する機会も減った。新型コロナからの回復を目指す今年は、パートナーの開拓や受注拡大が極めて重要となり、その業務を担うのが営業職である。日本語のできる営業職を採用することは、企業が成功を収めるために必要なことの1つだろう。

次にブリッジエンジニアだ。ブリッジエンジニアとは、プログラマーとパートナー企業との間に立ってコミュニケーションを図り、パートナー企業からの要望に応える立場だ。パートナー企業の要望をプログラマーに正確に伝え、プロジェクトの進捗を管理するこの職種では、N2以上の日本語能力のほか、IT分野の知識も求められ、給与水準や勤務条件はトップクラスとなる。また、コロナ禍でオンラインでの娯楽や商品販売が急拡大し、プログラマーの雇用が増えたことに伴い、ITチームリーダーに対する需要も大きい。ITチームリーダーは大型案件の立ち上げ・展開のカギを握る人物であるため、N2以上の日本語能力と日本のIT企業での勤務経験を4〜5年有している人であれば、かなり良い勤務条件を得られるチャンスがあるだろう。

同様に、日本語の通訳・翻訳スタッフも需要が高い。この職種は他部署間での書面や会話のやり取りをサポートするため、N1、N2、N3など非常に高い日本語能力とコミュニケーション能力、幅広い語彙力が求められる。給与水準は1〜2年の経験を有していれば月1,000米ドル程度だろう。加えて、日本の人材不足に伴って人事や機械エンジニアのポジションも求人が増えているほか、今日の経済統合により貿易が欠かせなくなる中で、貿易事務を行う人材の募集も多い。

最後に、ベトナムで長期にわたり生活・仕事をする日本人が増えたことで、日本人向けのベトナム語教師の存在も求められている。また、ベトナム人に対する日本語教師もニーズが高い状態が続き、とりわけ日本で研修経験のある教師は収入がかなり高い。N3を持っていれば日本語教育センターでの求人に応募ができるだろう。

就労や留学、いわゆる技能実習のために日本に滞在するベトナム人の数は年々増えており、新型コロナ前の2020年には、在留外国人数でベトナムは3位となった。日本語、そして日本の企業文化がわかるベトナム人が、企業のベトナム進出や事業拡大にとってカギとなることは往々にしてあるだろう。語学力と専門知識の両方を生かした人材の活用が求められる。(ベトナムニュース邦訳ライター 鶴田 志紀)

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