VPバンクが三井住友フィナンシャルグループにFEクレジット社の株式49%を売却

株式売却

引用元:ベトナム国営テレビ局オンライン新聞「VTV NEWS」(2021年5月5日)

4月28日、VPバンクは子会社であるFEクレジット社の株式49%を三井住友フィナンシャル(SMBC)グループに売却することで合意したと発表した。株式を購入したのは同グループの100%子会社であるSMBCコンシューマーファイナンス株式会社だ。SMBCグループはFEクレジット社の企業価値を28億米ドルと評価し、およそ14億米ドルで取得すると見られ、ベトナムの金融・銀行業界における海外パートナーとの取引では過去最大規模である。

VPバンクのNgo Chi Dung(ゴー・チー・ズン)会長は、SMBCグループに対するFEクレジット株49%の売却によって、双方が緊密に連携するチャンスを得ることができると考えを示し、中でもFEクレジットはSMBCグループから低金利資金や運用経験に関してノウハウを知るチャンスを得ることで、消費者金融分野における顧客サービスの質を向上させ、国から許可を得ず違法な金利を設けている闇金の根絶に寄与することができると述べた。

FEクレジット社は現在、ベトナム消費者金融業界でシェア50%を誇る最大手である。窓口は全国で2万か所、社員は1万3,000人で、同社の商品や無担保ローンを利用したベトナム人はおよそ1,100万人に上るとされる。また、SMBCグループは日本の三大銀行・金融グループの1つで、2020年末時点の総資産額は2兆1,000億米ドルを超え、個人・法人向けの銀行のほか、世界40か国以上で投資銀行を運営している。SMBCコンシューマーファイナンス社は日本でトップの消費者金融会社で、世界で900以上の支店を持ち、アジアではタイ、中国に子会社を持つ。

2020年現在、FEクレジット社は5年連続でホーチミン市人民委員長から国家への高額納税を表彰されている。2017年から2019年には、およそ3兆8,000万ドン(約190億円相当)の税金を国に収め、納税額トップ30に3年連続でランクインし、消費者金融分野ではトップとなった。2019年には1兆4,000億ドン(約70億円相当)以上の税金を収め、第24位に入っている。

4月28日にはPham Binh Minh(ファム・ビン・ミン)副首相とSMBCグループ事業開発部長の吉村昌浩氏が面会し、ミン副首相は将来性や経験、専門性のある金融組織の参加を促進していくと述べた。また、吉村氏は、ベトナムおよび日越関係の発展に対し、長期に渡り貢献していくことを固く約束した。

ベトナムでは非合法な貸金業者も多く、これらの業者による貸付広告がビルや電柱に貼られているのを街中で見かけることも多い。もちろん借金をしないに越したことはないが、今回の動きを機に業界に変化が起こり、違法な貸金業者の利用者が減少していくことを期待したい。(ベトナムニュース邦訳ライター 鶴田 志紀)

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