日立サステナブルエナジー社がニントゥアン省チュンナム風力発電株式会社の株式35%を取得
- 2021/05/22
5月14日、チュンナムグループの子会社であるチュンナム風力発電株式会社(TNWP)と日立グループの子会社である日立サステナブルエナジー(日立SE)社が戦略的提携に合意し、日立SE社がTNWPの株式を35%取得した。このことは、日立SE社がベトナムで再生可能エネルギー事業を展開するうえで重要な意義を持ち、同時に、チュンナムグループの再生可能エネルギー事業にとっても新たな段階への突入が可能となる。
TNWPによるチュンナム風力発電所への投資額は4兆ドン(約200億円相当)である。同発電所は、出力量151.95MW、年間稼働時間2,785時間、年間発電量4億3,200kWhとなる予定で、タップチャム変電所を経由して220kVに調整され、国家の電力ネットワークに直接接続される。太陽光発電と異なり、風力発電事業は投資額が大きいことや、設備の輸送や設置に時間がかかることから実施が難しく、新型コロナの拡大がさらに追い打ちをかけていた。しかし、再生可能エネルギー分野の最大手の1つであるチュンナムグループは、豊富な技術と経験でこれらを乗り越え、事業の第3フェーズを完了した。また、同グループは他の海外大手とも提携をしており、タービンはドイツのエネルコン製で、ベトナム最大の出力を誇っている。
今回の合意、および日立SE社によるTNWPの株式取得によって、双方は互いの成長にとって重要な戦略的パートナーとなった。このことから、日立グループはチュンナムグループの風力発電事業を高く評価し、長期的にわたる成長の可能性を見込んでいることがわかる。また、チュンナムグループはパートナーからの資金調達を強化したことで、再生可能エネルギー事業のさらなる推進が可能になった。
チュンナムグループは、これまでにニントゥアン省とチャビン省で太陽光発電事業を実施している。現在はダクラク省、ザライ省などの海岸や沿岸、沖合で風車900基を設置する計画を策定し、国家電力システムネットワークへの電力供給量を2027年までに10GW追加することを目標に、事業を実施している。
ベトナムでは、国家電力マスタープランでも風力発電の導入が推進されており、風力発電に対する関心が高まっている。電力消費量の増加が今後見込まれる中、環境負荷軽減の観点からも重要な分野となるだろう。(ベトナムニュース邦訳ライター 鶴田 志紀)
さらに詳細な情報を知りたい場合は
下記よりお問い合わせください。