商工省がオンライン商談会で日本への農産物輸出を促進
- 2021/06/11
商工省はオンライン商談会を通じて、ベトナム産農産物・食品の対日輸出促進に取り組んでいる。
6月2日に開催された日越農産物・食品オンライン商談会で商工省貿易振興局Vu Ba Phu(ブー・バー・フー)局長は、今年の年初4か月における日越間の貿易額が、新型コロナの影響があったにもかかわらず、前年同期比約6%増の160億ドルに達したと発表した。日本は農林水産物や消費財へのニーズが高く、ベトナムはこれらの品目の生産で強みを活かしている。両国は現在、3つの自由貿易協定に加盟しており、企業にとっては絶好のチャンスだ。フー局長は、商談会で双方が互いのニーズや実力への理解を深め、多くの契約を締結してほしいと期待を述べた。イベントでは、フート省やイエンバイ省の商工局が商品の産地情報を紹介し、フート省商工局のDang Viet Phuong(ダン・ベト・フオン)副局長は「現地企業は、大きな市場を持つ日本とつながりを作り、質のよい商品を日本の消費者にお届けしたいです。」と述べた。
農産物や食品の需要が高いと言われている日本は、ベトナム企業にとって伸びしろが大きい輸出先である。日本貿易振興機構(ジェトロ)の貿易アドバイザーである中村眞氏によると、スーパーマーケット、コンビニエンスストアといった食品小売市場の規模は約4,090億米ドル、また、ホテルやレストランなど飲食サービスの市場規模は約2,270億米ドルである。日本の食品輸入量は世界でもトップクラスであり、主に魚・魚の加工品、エビ、うなぎ、野菜・果物などを米国やブラジル、中国、ベトナムから輸入している。
中村氏によると、日本の消費者は食品の安全性や健康への影響に対して最も高い関心を持っており、次いで値段、利便性、商品のグレードと度合いが低くなる。そのため、日本に農産物や食品を輸入するにあたり、通関手続きの前に様々な動植物検疫や法に基づく適合審査が求められる。また、食品安全衛生法の規定では、人工添加物は他の国で認められていても日本では認可されないものもあり、商品名や成分、保存条件、輸入元、消費期限などを明記しなければならないと決められているので注意が必要だと中村氏はアドバイスをする。
中村氏によると、2月中旬には小売業界を対象とした9万人規模の貿易説明会、3月には参加者8万人規模の食品展示会が日本で開催されている。また、大規模な貿易促進イベントであるジャパン・インターナショナル・シーフードショーでは、日本企業と各国企業が提携を結ぶチャンスを拡げることができる。
ベトナムでも食品の安全性に対する意識は高まっており、日本の法律および消費者のニーズを満たす食品の輸入は今後増加すると見込まれる。日本と気候帯が異なるベトナムでは、日本ではあまり生産されてない野菜や果物の栽培も盛んであり、ベトナムからの食品輸入が増えることで日本の消費者にも新たな選択肢が生まれるだろう。(ベトナムニュース邦訳ライター 鶴田 志紀)
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