三菱商事が現代建設(韓国)・第1建設総公社(ベトナム)と共同でクアンチャック第1火力発電所建設を受注
- 2021/06/28
6月17日、ベトナム電力グループ(EVN)らがクアンビン省クアンチャック第1火力発電所のEPC(設計・資材調達・建設)契約の締結式を開催し、三菱商事(日本)・現代建設(ヒュンダイエンジニアリング&コンストラクション、韓国)・第1建設総公社(CC1、ベトナム)による共同事業体が契約を締結した。受注額は13億米ドルで、2基が建設される。第1基は契約締結日から42か月以内、第2基は48か月以内に完成する予定だ。同発電所では、ベトナム最高水準の超々臨界圧発電方式(USC)が導入される。
EVNのDuong Quang Thanh(ズオン・クアン・タイン)会長によると、クアンチャック第1火力発電所は排水・排気処理システム、集塵フィルターを一体化させている。そのため、処理された排気ガスはベトナムの環境基準を十二分に満たし、また、世界銀行が採用している各基準値と同等程度だという。
同発電所は、クアンビン省クアンチャック郡クアンドン村ビンソン地区に建設される。2基の合計出力量は1,200MWで、2021年第3四半期に着工、2025年に完成する予定だ。事業の投資総額は41兆1,300億ドン(約2,057億円相当)で、うち30%がEVNの資金、70%が国内の民間銀行からの資金である。同事業は、EVNが全額資金調達し、政府の保証なしで行う初めての発電所事業である。中でも、ベトコムバンクは首相の同意を得たうえで、規定額を超えた額の事業資金をEVNに対して融資している。
同発電所が稼働すれば、年間約84億kWhの電力供給が見込まれており、国のエネルギー安全保障のほか、安全性の向上、電力の安定供給に寄与すると期待されている。
ベトナムでは経済成長や生活水準の向上に伴い、電力消費量の増加が予想されており、各地で発電所の建設が進められている。SDGs(持続可能な開発目標)を受けて、ベトナムでも各計画で持続的な開発を掲げているが、USC方式や排気処理システムを導入し、環境に配慮された形が取られている。(ベトナムニュース邦訳ライター 鶴田 志紀)
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