ベトナム米の輸出でEUが税率0%導入へ。ベトナム米産業にチャンス到来か。
- 2020/08/07
8月1日から欧州連合市場(EU)に輸出されるベトナムの米は、EVFTA協定に基づいて0%の税率を享受することになります。VRICE有限会社マーケティングディレクターのファン・ヴァン・コー氏は、EUに商品を輸出する際の注意点について、商工新聞の記者と対談しました。
記者:
EUにおける米市場の可能性について教えてください。EVFTA協定が正式に実施された場合、米の輸出業者はどのようなメリットがありますか。
ファン氏:
EUは2016年から2020年までの消費量が年間約250万トンであり、潜在的な市場です。ベトナムは長年EUに米を輸出していますが、輸出量はお粗末で2019年には約1,100万ドルしか占めていません。当社は、毎年約2,000トンの高品質米をEU諸国に輸出しています。
EVFTAが発効する前のベトナム米の平均価格は、1トン当たり約600米ドルであり、約15%の輸入税が課せられるため、価格は1トン当たり700米ドルまで上昇します。一方、EU市場におけるタイとカンボジアの低価格米は、ベトナム米がそれらの国の米と競争することを難しくしています。
EVFTAが発効すると、EUはベトナムに年間8万トンの米の割り当てを付与します。これには3万トンの白米、2万トンの玄米、3万トンの香り米が含まれますが、精米作業の際に発生する破損米については、完全に自由化され、ベトナムは毎年約10万トンをEUに輸出する可能性があります。米製品に関して、EUは3〜5年後に税率を0%にします。これにより、ベトナム米が税率の影響を受けなくなると、価格が下がり、EU市場での競争力が高ます。
記者:
香り米製品については最近、EUが設定した基準を満たし、米の品質管理をするため、農村開発省が「EUに輸出される香り米の認証に関する規定」の草案を発表しました。この草案は適切ですか。
ファン氏:
A:基本的に私は条件や内容に同意しています。例えば、EUへの香り米輸出業者が、年間30,000トンが非課税になる優遇割当量を享受したい場合、農業農村開発省農作物生産局から香り米の種類の認定を受ける必要があること、収穫20日前に畑で種子純度(95%以上必須)の検査を実施することなどに同意しています。
しかし私の意見では、それを徹底的に行う場合、農薬会社との品質管理強化のメカニズムが必要です。環境と人間の健康に害を及ぼす製品は禁止されなければなりません。
記者:
ベトナム米がEU市場に参入し、EVFTAを効果的に活用するためには、企業は何をすべきと思いますか。
ファン氏:
企業は残留農薬と肥料の管理基準を満たさなければなりません。さらに、非課税割当に含まれる最も重要な要素は、企業が安定的な栽培地域を持たなければならないことです。生産情報を明らかにし、EUの要件を満たす米の種類になるまで綿密に監視することも重要です。これらの依然として厳しいEU基準を満たすため250ヘクタールの生産エリアを建設しました。
上記に加えて、企業は取引に誠実である必要があります。具体的には、ヨーロッパのパートナーと取引をする場合、米輸出業社が生産地域、品種、栽培技術、食品衛生、人権などに関する情報のリストを作成します。ヨーロッパ側は輸出業者の整合性を高く評価しているため、最初のチェックはありません。納入の際に検査が行われ、要件を満たさない場合、パートナーは荷物を返送し、この企業を「ブラックリスト」に記載します。これはEUの市場でのビジネスチャンスが終了することを意味します。つまり、EU市場での立ち位置を維持するためには、最初から設定された基準を満たす必要があり、企業はこれらの要件を厳密に遵守する必要があります。
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