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ハノイ市のビジネス環境
首都であるハノイには、展示会などのイベントが数多く開催されている点、各政府機関が集まっており中央省庁との諸手続きや面会が行いやすい点など、様々なメリットがあります。教育機関や職業訓練施設が集まり優秀な人材が豊富であることに加え、北部、そして全国の交通網の中心となっており、各都市へのアクセスは空路・陸路ともに良好です。市中心部にはオフィスビルが立ち並び、日本人向けのレストランやサービスアパートメントなども充実しているため、駐在員にとっても勤務・生活しやすい環境が整っています。
投資環境を整え経済成長を実現
環境が整備されているハノイには、日本を含む各国から巨額の海外直接投資(FDI)が投入されています。ベトナム全体の10%を超えるFDIをハノイで誘致しており、2020年のFDI誘致額は新型コロナが拡大したにもかかわらず、年間で約37億米ドルに達しました。
5年単位で見ると、2016年~2020年には265億米ドル(年平均53億米ドル)が誘致され、新たに登録されたFDI事業は3,113件に上ります。これは2011年~2015年の4.2倍の水準であり、ハノイでは外国企業にとって好ましい環境が創出され、投資が活発になっていることがわかるでしょう。
市は、2021年~2025年の5年間で300億~400米ドル(年間60億~80億米ドル)のFDIを誘致することを掲げています。勢いのある、持続可能な成長を実現するため、外国人投資家に有利な条件を今後も整備していく方針です。
ハイテク分野で投資誘致を強化
ハノイでは、中でもハイテク分野の事業や国内産業への波及効果が高い事業の誘致に力を入れています。近年の代表的な事例としては、サムスン電子(韓国)による東南アジア最大規模の研究開発(R&D)センター(投資額2億2,000万米ドル)や日本の住友商事などが開発を進めているスマートシティ事業(40億米ドル)などが挙げられます。
また、科学技術都市の建設を目指して開設されたホアラック・ハイテクパークでは、ハイテク分野の企業の誘致しており、入居企業は優遇措置を受けることができます。今年1月には同敷地内で国家イノベーションセンター(NIC)が着工されており、オフィススペースや研究施設、イベントスペースなどを備えた複合施設の建設が進められています。
可能性を秘めた小売・サービス業
このほか、国内トップクラスの人口規模、および所得水準を誇るハノイでは小売・サービス分野も発達しています。物流サービスの整備も進み、商品の品質を保ったまま輸送することも可能となりました。今後も中間所得層の拡大が見込まれており、さらなる成長が期待されます。
一方、市は情報技術の応用による行政改革を行っていく姿勢を示しており、電子行政の確立によって経営登録、税務申告などの手続きを簡略化・迅速化を図る方針です。企業は諸手続きをよりスムーズに進めることができ、所要時間や経費を削減することができるようになるでしょう。
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